バンコクのチャトゥチャック植物マーケットをふらふらと見て歩いているとき、若い女の子がまだ開店前のテントのテーブルに、小さなビニールポットを並べ始めた。

何を持ってきたんだろうと見ていると、小さなクルミぐらいの大きさの芋のようなものから、ぴょんぴょんと葉っぱの突き出た植物だった。
小さな苗!
そして見たことのない植物!
さっそく植物の名前を尋ねてみたんだけど、その女の子は英語が喋れなかった。
で、まったく会話が成り立たない。
いくつか植物を買い込んで日本まで持ち帰るつもりだったが、もし、ワシントン条約のリストにに記載されている植物だと、許認可が難しい。
ええぃ、ダメもとで買っちゃえ!紙と鉛筆を出して値段交渉。しかし、何の植物だがわからないので値段の見当がつかない。
とりあえず、彼女のいい値があまり高くなかったので購入してみることにした。
そしてそれが何の植物だかわかったのは、カセサート大学内の植物検疫所に持ち込んでから。
係の人がパソコンで画像を検索して名前を教えてくれた。
「これはドルステア・フォエチダよ。ワシントン条約のリストには記載されていない植物よ」
ドルステアはアフリカ東部のケニアやタンザニアから、海を渡った紅海沿岸の国々が原産地。低木の林や岩場の陰などで生育しているらしい。
同じ種類でも、生育場所によって背丈の伸びるものやずんぐりと育つものなど2つと同じ株がないのが特徴。
無事持ち帰ったものの、あまりの苗の小ささに荷物に紛れてしまって、7個購入した苗が、家で開封したときには6個になってた。

しかもうっかり踏んづけて、頭頂部がちぎれたものが2個。あわてて、ちぎれた部分を紙テープでもとの場所にくっつける手術。
そんなこんなでドルステアたちの日本暮らしが始まったのだが、季節は冬に向かっていた。そして具合の良くなかった子が1個ご昇天。
しかし残りのドルステアたちは、室内の植物育成ライトを浴びながら元気にすくすく育っている。

よくよく見ると、葉っぱの形が2種類ある。丸くて色の濃い葉っぱ。少し細くてふちがギザギザした葉っぱ。
これも2つと同じ株がないという差異の範疇なのか、もしくは別の種類のドルステアなのか。
これからみんなどう育っていくのか、楽しみはつきない。



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